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改正割賦販売法施行で事業者に求められる対応とは

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最終更新日:2018.05.24

クレジットカードの安全な利用環境の整備に向けて、割賦販売法が改正されました。この改正によってリアル店舗やECサイトなどの加盟店に、クレジットカード情報の取り扱いについての対策や、不正使用を防ぐための対策が求められます。詳しくみていきましょう。

割賦販売法改正の背景・目的

商品やサービスを販売する際、とくに高額なものに関して、分割払いやクレジットカードを利用した支払い方法を提供する場合があります。こうしたいわゆるクレジット取引は、手持ちの現金がなくても気軽に利用できるほか、計画的に支払うことが可能となるため消費者にとって利用しやすいというメリットがあります。反面、総額を認識しづらく、後になって消費者に想定以上の負担がかかる場合も多く、トラブルの原因のひとつになっています。

割賦販売法とは、そうしたクレジット取引において、事業者が遵守すべきルールを定める法律のことです。その目的は、消費者の利益を保護し、公正な割賦販売の取引を促すことで、商品・サービスを円滑に流通させることにあります。割賦販売法は、適用対象が徐々に拡大され、とりわけ近年はインターネットによる販売の規制やクレジット規制の強化に焦点がおかれてきました。

従来の割賦販売法では、カード情報の管理など、加盟店に対する義務づけなどは実施されていませんでした。クレジット取引のセキュリティが不十分であることが、クレジットカードの不正利用を助長させていたわけです。また、規制の対象とならない商品や役務に目をつけて、消費者の支払い能力を超えるクレジット販売を行う業者が後を絶たず、多重債務など、消費者トラブルの原因となってきました。

改正によって何が変わるのか

こうした問題を解消する目的で、平成30年6月1日、改正割賦販売法が施行されます。これによって、加盟店がセキュリティ対策を徹底し、クレジットカード会社が加盟店を管理することが義務づけられることになります。

また、クレジットカードのIC化を推進します。従来の磁気ストライプカードでは、簡単に偽造できてしまうという問題がありましたが、ICチップを導入することで、高い偽造防止効果を発揮するようになります。政府がクレジットカードのICチップ化を義務づけたことを受け、日本クレジット協会は、2020年までにIC化を100%実現することを目標に掲げました。

クレジットカード会社には、加盟店の適切性・安全性の調査・管理が義務づけられます。クレジットカード会社は経済産業省への登録が必要ですが、加盟店が不適切な販売活動をしていないかどうか調査しなくてはなりません。また、情報漏洩や不正使用などの被害が起きないよう、セキュリティ対策が十分にとられているかどうかチェックする義務をも負います。

加盟店が対策しなければならないこと

改正割賦販売法施行にともなって、加盟店にも大きく分けて2つの対策が求められます。1つ目がクレジットカード情報の保護、2つ目が不正使用を防止するための対策の実施です。

クレジットカード情報の保護については、加盟店が利用する機器や情報ネットワーク上で、顧客のカード情報を保存したり、処理したりしない「カード情報の非保持化」の仕組みを導入するか、あるいは情報セキュリティの国際基準であるPCI DSSに準拠してカード情報を取り扱うことが求められます。店頭販売を行う加盟店で、決済専用端末を置かずにカード情報をPOSシステムなどと連携しているケースなどでは、情報漏洩のリスクが高く、早急な対応が求められます。

不正使用対策としては、「カード情報の非保持化」によってある程度リスクが軽減されますが、なりすましなどを防ぐために、多面的・重層的な対策が必要になります。具体的には、カード番号と有効期限のほかにパスワードやセキュリティコードの入力を求める本人認証が挙げられます。また、属性・行動分析など、不正を検知する仕組みを導入するのも有効でしょう。

加盟店のセキュリティ対策が不十分であったり、クレジットカード会社による調査に応じない場合は、加盟店契約が解除される可能性が高くなります。健全に店舗運営をするためには、万全の対策が求められるといえるでしょう。

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