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消費税の軽減税率制度施行で事業者がおこなうべき対応とは

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最終更新日:2018.05.24

消費税率引き上げに伴い、所得額によっては家計に大きく影響してしまうことが懸念されています。そのため、低所得者に配慮する観点から、消費税の軽減税率制度が実施されることが予定されています。
この制度は、特に食品を扱う事業の中で大きく関わってくるため、EC事業者を含めたすべての食品事業者が熟知しなければなりません。
ここでは、軽減税率制度についてフォーカスし、その概要や対象品目、事業者が対応すべきことなどをまとめました。

軽減税率制度とは

消費税の軽減税率とは、特定の品目に対する消費税の課税率を他の品目と比べて低く設定することを指しています。

2019年10月から消費税は10%に引き上げられる予定です。そうなると、購入商品に対して1割相当額を税金として支払う必要が生じます。これは消費者にとっては大きな負担増になります。
これに付随して、低所得者対策として、酒類・外食を除く食料品や新聞などの特定の品目を対象に、消費税を8%のまま据え置くというのが軽減税率制度の概要です。

軽減税率の対象品目とは

軽減税率制度を利用できる対象品目は既に決められています。8%の税率で購入できる品物は、下記のとおりです。

◆軽減税率の対象品目
・生鮮食品…魚・コメ・野菜など
・加工食品…弁当・パン・牛乳・豆腐など(テイクアウトのファストフードなども対象)
・新聞…ただし、定期購読の契約をした週2回以上発行される新聞であること

軽減税率の対象品目を見ると、飲食料品は税率8%で統一されているように考えてしまいがちですが、外食サービスやお酒は対象外という点に注意が必要です。

◆消費税が10%になる要件
・外食…レストランなどでの食事(ケータリングや出張料理も含む)
・イートイン…牛丼屋やファストフード店・フードコートのイートインコーナーでの飲食
・酒類…種類問わず

◆注意しなければいけない点
ここで、線引きがあいまいとなりやすいのがファストフード店などでの飲食です。
・「テイクアウト」を選び、持ちかえり用の容器に入れてある食品は「8%」
・「イートイン」を選び、返却の必要がある食器を用いて提供された食品は「10%」となります。

そば屋の出前の場合、返却の必要がある食器で提供されてもテイクアウトと同様となり8%となります。イートイン方式でも、屋台で提供される軽食の場合は8%です。ただし、テーブルや椅子といった飲食設備が整っていない場合に限ります。
また、有料老人ホームなどで行う飲食料品の提供は、ケータリングには含まれず、8%となります。

ただし、これらの線引きはまだまだあいまいな点が多いため、現在も政府で検討中です。

事業者が対応すべきこととは

◆情報収集により正しい知識を持つ
ケーキ店などテイクアウト中心ながらも、飲食スペースを設けたお店などは、同じ一つの品物に対して飲食場所の違いだけで課税率が異なってしまいます。スーパーやコンビニでも、品目に対して8%対象品・10%対象品が混在してしまい、会計に手間取ることは、容易に想定できることでしょう。現状、線引きがあいまいとなっているケースもあるため、顧客に対してなぜ8%なのか、なぜ10%なのかを説明し理解を求めるための知識も必要です。

個人経営の食品販売店などでは、税率が異なる形態での販売を防ぐため、「テイクアウト専門」への鞍替えなどというような対応をとるお店も出てくるかもしれません。

◆社内体制の整備
また、商品ごとの適用税率の把握のほか、会計記帳も適用税率ごとに区分しなければいけないため、対応が求められます。消費税の申告なども適用税率ごとに変更されることが予想されます。スムーズに移行できるよう、税理士などと相談を進めていきましょう。

◆設備・システムの整備
商店では、複数税率対応レジや会計システムの導入などが急務となります。これに伴い、請求書や領収書に関しては複数税率を記載した内容へと変更する必要があります。変更のための設備投資が必要となりますので、消費税増税前から資金面でも対策を講じる必要があります。

◆ECサイト事業者が注意すること
オンラインでの精肉・鮮魚、野菜、パンなどを販売している事業者は、すべて8%のままですので、現状のままで販売を続けることができます。しかし、雑貨など軽減税率対象外の商品も扱っている場合は、必ず複数の税率に対応したカートを用意しましょう。「MakeShop」などのネットショップ構築システムが対応しているようですが、詳しくは各サービス提供会社にお問い合わせください。

小売店以外の企業でも、複数税率に対応させるため、経理手法が変わります。社内経費に対しても消費税を区分して計上させる必要があるので、社内の経理システムや会計帳簿の記載方法を変更させなければいけません。複数税率に対応させるためのシステムの再構築などが求められます。

2019年10月に施行される消費税10%への増税。なかなか対応が難しいところではありますが、対応レジの導入や受発注システムの改修、帳簿付けの対応準備など、施行前から対策が求められることがたくさんあります。いざとなって手遅れにならないように、準備はしっかり進めておきましょう。

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